昼下りの空
2017年発表
作詞:かずお爆弾
作曲:かずお爆弾
知らない言葉を憶えて
心充たされるのか
知らない方がましだった
こともあるけど

空っぽになった郵便受けに
閉じ込められた
心もいずれは空を翔け
輝くだろうか

かけっぱなしの瓦斯焜炉を
切ることを忘れていたいと
起き上がっては項垂れるを
繰り返す

軈てはこの手も足も口も
使えなくなるのか
嗚呼流れてく
昼下りの空

五月雨が降れば
冬も了りだと信じてゐたのに
どうして未だに北風に
煽られているのだろう

三分前には宙を泳いでた
期待ですらも
誰かの一言次第では
変わってしまう

読まずに棄てた手紙の山
誰かゞ見てたような気がした
誰かゞ叱って呉れるような
気がしてた

眠気醒ましに呑んだ
珈琲の中に融け出した
嗚呼流れてく
昼下りの空

こんなこといゝな
出来たらいゝな
一杯あつたが
叶つてしまふそのときは
失ふときだらう

矢継早に流れてく字幕に
堪えられなかった
明日の始発の時間すら
わからない儘

話して救われるものなら
余白にしたゝめたいのだが
持ち方を忘れたペンでは
滲むだけ

夜の蒼さに呑み込まれる前に
知らない街まで
嗚呼流れてく
昼下りの空

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